リン酸処理ってどういうもの?消泡剤の目的と工程

リン酸処理とは?その種類と特性
リン酸処理とは鉄や亜鉛メッキ製品等の表面処理法の一つです。金属表面にリン酸イオンと金属イオンの溶液を塗布し金属表面に被膜を作ります。リン酸処理によってできた皮膜は金属表面に強固に密着して金属の錆や腐敗を防ぎます。リン酸塩処理には様々なタイプがあり、よく実用されているのはリン酸亜鉛処理、リン酸鉄処理、リン酸亜鉛カルシウム処理、リン酸マンガン処理などです。
多くのリン酸処理方法は鉄材向けで、鉄以外の金属にも広く汎用されるのはリン酸亜鉛処理です。リン酸亜鉛処理なら亜鉛系金属やアルミ系金属にも適用されます。リン酸処理の目的は主に塗装下地です。リン酸塩処理された上に塗装すると塗装の密着度が高まり塗装品質が向上します。また、塗装に傷がついた場合にも錆や腐食が広がりにくいのです。リン酸処理によって金属表面が滑らかになり金属加工時の摩擦ダメージを軽減します。リン酸塩処理はほとんどが60度以下でできるので金属に負荷をかけないという点でも優れています。
消泡剤使用の目的と種類
リン酸処理の基本工程は①金属表面洗浄②すすぎ(水洗)③リン酸塩処理浴④すすぎ(水洗)⑤乾燥(熱温風)です。①の工程は非常に重要な工程で洗浄が不完全な場合にはリン酸処理の品質が極度に低くなってしまいます。洗浄にはアルカリや酸などが使用されます。洗浄の際に金属面に泡が残ると後のリン酸塩処理浴がうまくいきません。そのため消泡剤によって完全に泡を消してからリン酸塩処理浴工程に入ります。消泡剤の種類としてはシリコン系、界面活性剤、ポリエーテル、高級アルコールなどがあります。リン酸塩処理には界面活性剤がよく利用されます。
消泡剤とは、液体の泡を消したり、出来にくくするために使う添加物のことです。豆腐の場合、製造過程で豆乳から出る泡を抑えることによって、なめらかで日持ちのよい製品になります。